真っ白な道を歩いて辿りつくのは”すたじお”だけ。



だったら目の前にある扉は一体何なのか。





見知らぬ扉





すたじお、と呼ばれている場所とあたしの部屋をつなぐ真っ白な空間は何だか寂しかったと今でも思う。

見渡す限り何も無いその空間にあたしは興味を示さなかった。



”それ”が現れる前までは。





その時、あたしは渡された楽譜を腕に抱え小走りで部屋に帰ろうとしていた。

いつものように歌いそしていくつかの検査を受け終えた後、新しい楽譜を渡され嬉しかったのだ。

スタジオから自分の部屋まで歩いて約100歩。

だからあっという間に部屋に辿り着くはずだった。


「ん?」


足が止まったのは目指している部屋の入り口以外の”何か”が視界に入ったからだ。

白い空間に青色の縦長の長方形。その長方形の左の真ん中には取っ手らしきものが付いている。

”それ”は色以外はあたしの部屋の入り口と同じ形だった。



行くときにはなかったもの。

色以外”それ”が自分に馴染みのあるものと同じもの。



その2つが楽譜以外に向ける事のないあたしの興味をひいたのかもしれない。





どうしようか少し悩んだ結果、あたしは取っ手に手をかけた。













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